相棒『フィナーレ』2026年の元日SPは本格ミステリー!?正義という名の復讐劇とは?

ドラマ

『相棒 season24』元日スペシャル『フィナーレ』は、絶海の孤島を舞台に、ミステリー作家の小説になぞらえた連続殺人が特命係を追い詰める、本格クローズドサークルミステリーでした。複雑に絡み合った復讐の糸と、杉下右京の過去がもたらした悲劇。果たして特命係は、血塗られた聖夜に隠された真実を解き明かすことができるのか…!?ミステリーファン必見の、重厚なドラマの感想をネタバレありでご紹介します。

クリスマスの惨劇

クリスマス・イブの聖島。「悪霊を祓うため五人の人間を人柱にした」という伝説が残るいわくつきの孤島に建つ豪華ホテル。そこで行われるのは、ミステリー作家・美作章介氏(段田安則)の読書会です。美作氏の代表作『血塗られた聖夜』の舞台そのものであるこの場所へ、脅迫状の調査依頼を受けた右京さん(水谷豊)と薫(寺脇康文)が、美和子さん(鈴木砂羽)と小手鞠さん(森口瑤子)を伴って訪れるわけですが、「何か凄惨な事件が起きるぞ」という予感がすごくで、ミステリー好きの血が騒ぎます。豪華な客船や孤島の邸宅、雪の山荘……こうした「外部との遮断」というシチュエーションは、我々が愛してやまない古典ミステリーの王道中の王道。そして、そこに甲斐峯秋氏(石坂浩二)や捜査一課トリオまで集結するという、まさにオールスターキャストの閉鎖空間。期待は高まるばかりです。刑事ドラマと本格ミステリーなシチュエーションは、なかなか相反するような気もしますが、そこまで違和感はなかったと思いますね。
最初の殺人は、小説の通り201号室で発生。美作のマネージャーである相模舞(月城かなと)の密室殺人でした。続く甲斐峯秋氏の毒殺未遂も、小説の再現かと思わせます。そして、美作氏の作家見習いである増本文哉(森優作)が怪しい動きを見せ、過激なファンであるホテルの従業員・日高桜子(濱田マリ)が作家を襲おうとするなど、ミスリードが巧みに配置されます。視聴者は物語のページをめくるがごとく、次々と提示される謎と容疑者に翻弄されます。

事件の裏にあった復讐

この事件の深層にあったのは、右京さん自身に向けられた壮大な「復讐劇」でした。相模舞が自ら命を絶ち、それが他殺に見せかけられた密室殺人だったという衝撃の真相。そして、美作氏こそが、その復讐劇を演出した真の首謀者だったと明かされます。13年前、相模舞の父親・三田村康之が仕組んだ保険金詐欺のための偽装自殺を、右京さんが「正義」として見破ってしまったこと。その結果、舞が苦難の道を歩むことになった恨みが、美作氏をベストセラー作家へと駆り立て、長い年月をかけてこの「究極の密室」たる復讐計画を練り上げたという動機は、もはや異質です。
右京さんと美作氏の最後の対決は、まさに知と知のぶつかり合い。美作氏が勝利を確信した瞬間、右京さんが冷静に暴き出した、甲斐峯秋氏の首筋に刺された万年筆の痕跡と、そのペン先のインクが決定的な証拠となる結末は、サイン本という伏線回収になっていました。この物語の「フィナーレ」が、作家の人生の終焉であり、復讐劇の終幕であり、そして「正義」という名の問いかけの最終章でもある、という多層的な意味合いを持っているかのようです。

総評

『フィナーレ』はクローズドサークルミステリーに終わらず、シリーズの根幹をなすテーマに深く切り込んだ意欲作だったと言えるでしょう。右京さんが突きつける「正しく生きなさい」という言葉の重さ、そして、時にその「正しさ」が他者にとっては刃となる残酷さ。亀山くんが隣にいるからこそ、右京さんの冷徹さが際立ち、しかし最終的には、その人間味溢れる相棒の存在が事件解決の鍵となるという構成は、改めて「特命係は二人で一つ」であることを強く印象付けました。まさに、25周年を迎える「相棒」シリーズの、新たな境地を示す「フィナーレ」だったと思います。

相棒season24 第10話「フィナーレ」作品データ

事件のポイント

  • 舞台は悪霊伝説が残る孤島「聖島」にあるホテル。美作章介の代表作『血塗られた聖夜』の舞台であり、読書会が開催される。
  • ミステリー作家・美作章介の小説『血塗られた聖夜』になぞらえた連続殺人事件が発生。

Q&A形式のネタバレ

  • 真犯人は誰ですか?また動機はなんですか?
    ミステリー作家の美作章介(段田安則)です。彼は亡くなった相模舞と共謀し、復讐計画を実行しました。美作章介の動機は、13年前、相模舞の父親・三田村康之が仕組んだ保険金詐欺のための偽装自殺を、杉下右京が「正義」として見破り、結果的に相模舞が苦境に立たされたことへの逆恨みと復讐心。
  • 相模舞の死因は他殺ですか、自殺ですか?
    密室の状況から他殺と見せかけられていましたが、実際には相模舞自身による自殺でした。彼女は末期がんを患っており、父親の復讐のため命を捧げました。
  • 甲斐峯秋はなぜ毒殺されそうになったのですか?
    彼の息子である甲斐享が関わった「ダークナイト事件」を美作が小説の題材にしようとしたことに対し、峯秋が圧力をかけたため、美作の復讐のターゲットとなりました。ただし、毒殺ではなく、停電中に美作が万年筆で首を刺したことによるものでした。
  • 美作章介の最終的な目的は何でしたか?
    13年前に杉下右京が相模舞の父親の保険金詐欺のための偽装自殺を見破ったことへの「正義」への逆恨みと復讐です。彼は右京を「久夛良木刑事」のモデルとし、現実世界で右京を出し抜き、敗北させることで復讐を完遂しようとしました。
  • 増本文哉は事件にどのように関わっていましたか?
    増本は舞に利用され、脅迫状を作成しました。彼は美作のトリックを盗用していたことへの不満も抱いていましたが、殺人には直接関与しておらず、美作の計画のスケープゴートとされていました。
  • 右京はどのようにして美作のトリックを見破り、逮捕の決め手を見つけましたか?
    右京は甲斐峯秋が毒殺されたのではなく、停電中に美作が万年筆で首を刺したこと、そしてその万年筆のインクが美作にサインを求めた際に付着していたことを見抜き、それが決定的な証拠となりました。

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